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いざというときは、日常の延長にある。― 公園と防災のあり方を考える

レポート 2016.03.07

東日本大震災では、首都圏で約515万人の帰宅困難者が発生したと報告されています。街中が家路へ向かう人々で溢れかえった光景を記憶している方も多いことと思います。
国は、こうした災害時にも柔軟に対応できる強くてしなやかな国づくり「国土強靭化」を推し進める中で、「平時活用/有事利用」をひとつのコンセプトとして掲げています。災害が発生した時のためだけに整備をするのではなく、平時にも利用できるような仕組みにしていこうという考え方です。

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帰宅困難者想定で日比谷公園へ避難

公園を拠点に地域資源活用の訓練

2016年2月8日(月)、東京都・千代田区主催帰宅困難者対策訓練が行われました。
日比谷公園での訓練に登場したのが、「V2X帰宅困難者サポートステーション」。近隣の企業などが持っている資機材と、地域にある電動車・燃料電池車を活用した「平時活用/有事利用」の支援の取り組みです。この日はトヨタ、ホンダ、日産、三菱の4社の協催により電力供給の訓練が行われました。

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1台の電気自動車から一般家庭3軒分の電力を出力

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非常時の利用手順を実際に体験

また、日比谷公園に常設されている「かまどベンチ」を利用して、炊き出し訓練が行われました。平時はベンチとして利用され、災害時には炊き出し用のかまどになる、まさに平時活用/有事利用を形にしたアイテムです。

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平時はベンチ、座面を外すとかまどになる「かまどベンチ」

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いざというときテントに早変わりする「防災パーゴラ」

道具は備えておくだけでなく、使い方を知っていてはじめて、いざというとき役立てることができます。こうした訓練は、有事の際自分にできることを知ることにもつながります。

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温かい食事のありがたみを体感

公園を日常使いするという当たり前のこと

今回の訓練の場にもなった「公園」。避難場所や活動拠点として指定されていたり、小さな公園でも防災機材が整備されていることが多くあります。
しかし、それが普段まったく利用することのない公園だったらいかがでしょうか。どこにどんな公園があるのか、どんな設備があり、周辺にはどんな人が住んでいるのか。知っているのといないのとでは、いざというときの安心感も、できることも全く異なるのではないでしょうか。

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平時の日比谷公園かまどベンチ

平時活用/有事利用のポイントは、「平時」にこそあります。それは資源の有効利用ということだけでなく、有事の行動は日頃の行動の延長線上にある、ということでもあります。

では公園の平時活用とは、どういうことでしょうか? それはシンプルに、普段から公園を楽しむことではないでしょうか。公園を生活に身近な場として、日常使いすること。公園に行くことで、ゆるやかに地域参加すること。

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公園が日常生活の中にあること

防災訓練も日常の一コマです。訓練に参加し、支援する立場・支援を受ける立場をそれぞれ体験することで、自分自身も地域の助け合いの一員であることを実感することができるでしょう。

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コミュニティの強さが災害を乗り切る力に

最近公園に行っていないという方は、まず散歩から、そしてベンチに腰を下ろしてみませんか。それが、いざというときに繋がる「日常」のはじまりかもしれません。

Written by 梅村夏子(PARKFUL編集部)
好きな公園:木場公園、清澄庭園
ふらりと行った公園で生まれる偶然の出来事や出会いを楽しむのが好きです。

Park Information

日比谷公園
開園時間 常時開園 休業日 常時開園
入園料 無料 駐車場 あり
住所 東京都千代田区日比谷公園
地図
アクセス 東京メトロ丸ノ内線・千代田線「霞ヶ関」、東京メトロ日比谷線・千代田線「日比谷」、都営地下鉄三田線「日比谷」下車 (A10・A14)出口すぐ
JR「有楽町」下車 徒歩8分
公式サイト

都心に広がる菜の花の絨毯「浜離宮恩賜庭園」(東京都中央区)

堀内公園(愛知県安城市)