公園内は中世に富士見市を拠点に活躍した難波田氏の城跡を復元した「城跡(しろあと)ゾーン」と、市内の古民家を移築復元した「古民家(こみんか)ゾーン」で構成されています。中央には資料館があり、大人も子供も気軽に参加できる昔遊びや工作などの「ちょこっと体験」も大人気。歴史散歩と日本情緒あふれる古民家を、一度に楽しめる場所です。
「古民家ゾーン」で遊ぼう
農家の景観が再現された古民家ゾーンでは、明治初期に建てられた市指定文化財である古民家が復元されています。そのうちの一つ、「旧金子家住宅」は油商も営んでいたため商店らしい造りがあるのが特徴。庭にはコマや羽子板、竹馬などの昔ながらのおもちゃが置いてあり、手に取って遊ぶ子供たちで賑わっていました。
「ちょこっと体験」で鬼のお面作り
園内では土日祝日に「ちょこっと体験」というイベントが開催されており、取材日は古民家で鬼のお面作りが行われていました。なんと、出来上がったお面を頭に乗せたタイミングで鬼が現れるというサプライズも。その後、子供たちの容赦ない豆まきにより赤鬼は無事退治されました。
見どころ沢山の「旧大澤家住宅」
古民家ゾーンでは、他にも武士や名主の屋敷に特別に作られていた長屋門(ながやもん)である「旧鈴木家表門」を見る事ができます。また、長屋門の先には「旧大澤家住宅」があり、式台(しきだい)と呼ばれる川越藩の役人を迎える専用の玄関や、庭の見渡せるオクザシキなど、江戸時代の名主の暮らしぶりを見て感じることができます。
「城跡ゾーン」で歴史散歩
かつては三重の堀と土塁(どるい)に囲まれた平城(ひらじろ)であった難波田城。その堀や土塁、曲輪(くるわ)を発掘調査と古城図を基に復元したのが「城跡ゾーン」です。歩いていると足がもつれそうになるS字型の通路や、渡り始めと終わりで橋の幅が違う「復元木橋」など、攻めづらいポイントが随所に見られるのが興味深い所。季節によっては桜や水堀のスイレン、花菖蒲なども楽しめます。
2つのゾーンを結ぶ「難波田城資料館」
公園の中心には難波田城資料館があり、難波田城の事や中世から現代までの市内の歴史文化を、資料や模型、映像で解説しています。難波田城は湿地にあったため、発掘調査の際通常なら風化してしまう木製品が泥で空気に触れず真空パック状態で出土したそうで、16世紀の羽子板や下駄が展示されている様子は非常に驚きです。
史実を知れば知るほど奥深い魅力のある公園でした。古民家にはなぜかほっとする雰囲気があり、昔遊びを楽しむ子供たちの顔ものびのびと、穏やかに見えるのが印象的でした。
記事の内容は取材時点の情報です。最新の情報とは異なる場合がございますので、あらかじめご了承ください
Park Information
開園時間 | 公園:9:00 ~18:00 ※10月~3月の間は9:00~17:00 資料館・古民家:9:00~17:00 |
休業日 | 公園:なし 資料館:月曜(祝日を除く)、祝日直後の平日、年末年始 |
---|---|---|---|
入園料 | 無料 | 駐車場 | あり |
住所 | 埼玉県富士見市大字下南畑568-1 | ||
地図 | |||
アクセス | 東武東上線志木駅から東武バス・ららぽーと富士見行き「難波田城公園南口」下車、徒歩7分 | ||
公式サイト | https://www.city.fujimi.saitama.jp/madoguchi_shisetsu/02shisetsu/shiryoukan/nanbatajo/index.html |
好きな公園:国営昭和記念公園(東京都立川市)、井の頭恩賜公園(東京都武蔵野市)
情緒のある庭園も大好きです。取材を通じて出会う公園の魅力に興奮しながら撮影しています。