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日本のデファクトスタンダードになりうる街区公園 | 赤松ぼっくり庭園緑地(東京都世田谷区)

これからの公園 2016.05.18
芝生広場 日本庭園 景色が良い 紅葉の名所 梅・桜の名所

普段は、PARKFULアプリでMサイズ以上で、子育て中のママさんと子供たちが遊びやすい公園の紹介を行っていますが、今回は閑静な住宅街である世田谷区松原にあるSサイズの公園を紹介します。アプリPARKFULには、合計11万5000か所ほど公園が登録されていますが、そのうち9割の公園がこのSサイズに該当します。この公園もそうした9割、つまり日本のどこにでもあるサイズの公園から、これからの小規模な街区公園のスタンダードを感じることができます。

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世田谷区立 赤松ぼっくり庭園緑地。園名石の上には、園名の由来でもある公園の松から落ちてきた松ぼっくりが置かれています。

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園名石の松ぼっくりが風などで落ちないより石には堀りが作られています。この公園のこだわりを感じます。

世田谷区松原という閑静な住宅街に配慮した運用

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開園時間は朝9時〜夕方5時まで(冬は4時まで)

閑静な住宅街にあるためか、公園の開閉は厳密に行われています。施錠管理は世田谷区役所の方が毎日行っていらっしゃるようです。(近所にお住まいの方談、後で世田谷区に確認してみます。)保育園から出る声が騒音と言われる昨今、こうした開園時間を厳密に決め運用することが現代では必要なことなのかもしれません。365日毎日運用されている役所の方のご苦労も察します。

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男女兼用、車椅子、赤ちゃんも利用可能な多目的トイレ。いつも清潔に保たれています。

トイレはとても清潔に保たれ、また園内の清掃も行き届いおり、公園全体に清潔感を感じることができます。こうした清潔感が地域の安全・安心に寄与することは間違い無いでしょう。また、小さな公園ですが、こうしたトイレがあるだけでも公園に長居したくなります。

最高裁判所の公邸の名残りを残す緑地庭園

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平成17年まで、ここは最高裁判所赤堤公邸として利用されており、閉鎖後、地域住民の嘆願により緑地として存続することに。

この公園は、平成17年まで最高裁判所の公邸でした。最高裁判所公邸という性質上、話題性の高い最高裁判が起こる度に公邸周辺が騒ついていたそうです。(こちらも、公園の掃除をされていたボランティアの方からお伺いしました。)今の穏やかさからは想像もできません。余談ではありますが、古くから存在する世田谷区の多くの素晴らしい庭を有するお屋敷は固定資産税の支払いなの影響で更地化され、中規模のアパートやマンションが建つことが多く、ここが公園として存続することができたのは、国有資産だからこそなのでしょう。

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公園を入ると素晴らしい赤松と新緑が鮮やかな紅葉が見えます。

公園は、その公邸の緑を維持しています。公邸内には、立派な赤松や紅葉など素晴らしい緑でいっぱいです。

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紅葉は緑のカーテンの役割となり、緑地庭園に目にも優しい涼を作ります。

園内には様々な植物が植えられています。解説サインも充実しており、小さな子供には貴重な自然とのふれあいと学びの機会となります。

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充実した植物の解説サイン。数えていませんが、30^40種類近くあるような気がします。

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緑地庭園内の緑の歩道

地域住民とのワークショップで生まれたバリアフリーが行き届いた公園

公園を設計するあたり、地域住民の方とのワークショップを何度も重ね決定されたそうです。(小さな公園ですが、地域住民の皆さんとワークショップを重ね作られたことも、今時ですね。)ワークショップの成果は徹底したバリアフリーに見てとることができます。また、この周辺の事情を感じることができます。

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緩やかなスロープと点字ブロック

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ユニバーサルなテーブルと水飲み。車椅子の方でも机が使えるように椅子と机の幅が広くとられ配置されています。

それ以外にも前述した多目的トイレなどあり、誰にでも優しいユニバーサルな公園です。少子高齢化の世相にあわせ、また誰にでも優しい公園が、今後日本の街区公園のスタンダードになるといいですね。写真にはありませんが、防火貯水槽や防災用マンホールトイレなども設置されており、有事にも対応が可能になっています。

子育てにも優しいのびのび楽しめる芝生広場

世相を表すとはいえ、必ずしも高齢者向けの用途に限っている公園ではありません。ここには遊具はありませんが、ハイハイを始めたばかりの乳幼児でも楽しめる芝生広場があります。週末になると近所のパパ・ママがこぞってこの公園でレジャーシートを引くなどし、子供達とランチを楽しんでいます。

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日向にあるベンチ

芝生広場の大きさがボール遊びには向かないサイズであることも功を奏しており、おかげで小さい子供でも安心して遊ぶことができます。

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ハイハイを始めた乳幼児でも遊べる広場。

芝生の周りには、ベンチや腰掛けに丁度いい石がたくさんあり、2〜30人ほどが同時にくつろぐことができる広場になっています。なお、ゴミ箱はありませんので、ゴミは必ず持ち帰りましょう!

公園周辺も魅力的な商業施設でいっぱい!

公園から徒歩10分ぐらいの距離に世田谷線松原駅があります。また、駅までの途中には生鮮スーパーのオオゼキ他たくさんのお店があり、生活する環境として申し分のない場所です。また、自転車で三軒茶屋や下北沢まですぐというアクセスの良さも魅力の1つです。

世田谷区の生活を支えていると言っても過言ではないオオゼキが徒歩5分の場所にあります。

庶民の生活を支えていると言っても過言ではないオオゼキが徒歩5分の場所にあります。

住まいを決める条件として公園の有無をあげられる方は少なくないと思います。今回紹介したSサイズの公園は、量は多いのですが、足を運ばなければ詳細を知ることができない場所です。こうした素晴らしい公園を発見するツールとして、また、住まい探しのツールの1つとして、PARKFULを活用してみませんか?

公園を楽しむために守りたいこと

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この公園を楽しむにあたって。

最後に公園を使うためのマナーについて触れておきたいと思います。海外に行くとどの公園も一律のルールが設定されています。日本では公園単位でできること・できないことが決められていることが多く、その点が利用者に対して混乱を招いているのではないかと思います。特にペットの散歩と喫煙に関するルールです。ペットにも芝生広場を楽しんでもらいたいという気持ちもわかりますが、衛生面で解決できない問題があります。また、喫煙についても青空の下でのんびりと過ごしたいと言う気持ちもあろうかと思いますが、この公園でも禁止事項に入っております。この公園は、たくさんの方に見てもらいたいと思う一方、この公園の周辺住民の皆さんにご迷惑をおかけしないよう、公園のルールについてご理解をいただければ幸いです。

この公園に対して、最後に思うこと。

赤松ぼっくり庭園緑地は、地域住民の嘆願に始まり、数度のワークショップを通し、その結果を通じてできたユニバーサルな公園ですが、この公園がさらに地域にいい影響をもたらすには、これからの活動こそが最も重要ではないでしょうか。

地方から多くの人が東京に集い、職場との往復に留まり、居住地での地域コミュニティを構築できずにいます。現地で住民の方にお聞きした話ですが、落ち葉の清掃などは住民の善意に基づく任意で運営されているボランティアだそうです。人に安らぎを与える公園に、集い、公園をきっかけにしたコミュニティが形成されることで、この地域に愛着を持てる、良い場所になるのではないでしょうか? そうしたコミュニティがまた、有事の際に貴重なネットワークとなり、減災効果を発揮するのだと思います。

このような公園になりうるポテンシャルを有する公園が日本にたくさんあることが日本の強みであると感じています。とりとめもなく書いてしまいました。

Written by 椛田 泰行(PARKFUL編集部)
思い出の公園:103rd Street Community Garden(ニューヨーク), Jamison Square(OR,ポートランド) , 羽根木公園(東京都世田谷区)

Park Information

開園時間 4月~10月:9時から17時まで11月~3月:9時~16時まで 休業日  なし
入園料  無料 駐車場  なし
住所  東京都世田谷区赤堤二丁目51番22号
地図
アクセス 世田谷線松原駅より徒歩10分
公式サイト http://www.city.setagaya.lg.jp/shisetsu/1217/1271/d00126666.html

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