冬の歴史公園を味わう
歴史公園という言葉をご存知でしょうか。冬でも多いに楽しめる公園の魅力の一つに日本庭園や歴史的建造物があげられます。四季折々の風情が楽しめる日光田母沢御用邸ですが、あまり紹介されることのない雪景色をご紹介します。
入り口は、バス停から近い北側と東側の2箇所がありますが、東が正門です。
正門〜御車寄
建物を正面に置かないことで、雑木林のような自然な風景が広がります。まっすぐ進みましょう。
左手、やや見上げる形で建物が見えてきます。木造3階建てのですが、こちらからは、平屋のように見えます。むくりのある美しい屋根ですね。木製の柵にほっとします。
御車寄(みくるまよせ):明治22年東宮御所の玄関として造営されたものを移築しています。
ガイダンス
建物内は写真も撮れますが、壁や襖など触ってはいけません。荷物は襖や障子にぶつけないよう、コインロッカーに預けましょう。
冬は寒いからでしょうか、靴下の上から履ける上履のようなものを貸してくれます。そしてまず御用邸について12分のビデオガイダンスのようなものを見ます。膝掛けがおいてあったり気配りがうれしいですね。
陛下にとっても戦時中、小学校5年生の時に疎開していた所縁のある場所で度々訪れているようです。
御用邸内部
さていよいよ中をまわっていきますが、全部は説明しきれないので、印象深い所をピックアップします。あと展示用に衝立になった襖などは立派なものでも紹介していません。自然に使われている風景が想像できるところを撮っています。
最初は歴史などを説明するパネル展示のコーナーなどがありますが、ここは割愛。
展示を割愛すると、唐突ですが、御玉突所と呼ばれるビリヤード台のある部屋。ポケットのない4つ玉用の台です。大正時代のものです。
写真でわかるでしょうか、歪みのあるある手作りの硝子がとてもきれいです。
大正天皇の寝室だそうです。ここだけ蝋燭。
冬なので窓や雨戸を閉めているところが多いのですが、係員の方が窓を開けて屋根を見せてくれました。低層部分は全部入母屋か寄棟になっており、ご覧のように屋根どうしが見事につながっています。
なので、屋根の縁を辿っていくと元の場所まで戻ってくるといいます。葺き替え工事をして16年経ち落ち着いた色になってきています。毎年12月中旬か
杉戸の引手に表された皇室の十六弁八重表菊紋。普段私たちがパスポートなどで見ているものとは違います。部屋の仕切りのほとんど
雨戸の隙間から見た中庭の様子。一般的な庭木ではなく、元から生えていた木をそのまま活かしているのか、借景と一体となってスケールの大きさが感じられます。
近くに寄っては見れないけれど、実際にはまっている杉戸絵で、囲いのないものを遠目から。
有名な樹齢400年のしだれ桜。よじれた幹も迫力があります。左手に少し見えるのが御湯殿で屋根に小さな湯気抜きの煙突があります。ただ、湯船のようなものはなく、当時は掛かり湯式だったといいます。
御庭
いったん北側の入り口まで戻った後、建物の脇を時計回りに歩いて、お庭の方に行きます。
樅の巨木がありましたが、写真で大きさを実感してもらうのが難しい。大人二人で抱えられるか?くらいあります。
右手にヤマモミジ、左手に松、松の下に見えるのはヤマツツジ。春や秋にも来てみたい。
雪を割るようにきれいなせせらぎの水が輝いていました。
お庭らしい風景を撮ろうとすると、木が入り込んでしまいます。これだけ大きな建物でも寺社や老舗ホテルのように目立たず、自然の中に融け込んでいます。。
日光の社寺に劣らず見所満載の公園でした。
Park Information
開園時間 | 4~10月:9時~17時 11~3月:9時~16時30分 |
休業日 | 毎週火曜日,12/29~1/1 |
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入園料 | 有料 | 駐車場 | あり |
住所 | 栃木県日光市本町8-27 | ||
地図 | |||
アクセス | JR日光駅または東武日光線東武日光駅より東武バス 「中禅寺温泉行」「日光田母沢御用邸記念公園」下車徒歩1分 |
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公式サイト | http://www.park-tochigi.com/tamozawa/ |