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公園政策から見る、日本のこれから 〜 公園行政アンケート振り返り 〜 〈前編〉

これからの公園 2018.02.07

都市公園法の改正もあり、新しい時代の公園のあり方がこれまで以上に議論された2017年。その年末、コトラボでは公園行政に関わるみなさまにご協力いただき「公園の取り組みに関するアンケート」を実施しました。現場のみなさまが現在どのようなことに注力し、関心を持っているのかを調査することで、公園が今置かれている状況が見えてきたように思います。

これから3回に分けて、その結果を振り返っていきたいと思います。公園という身近な場所を通して地域や日本のこれからを考えてみる、そんなきっかけにしていただければ幸いです。
アンケートにご協力いただいた自治体の皆様、誠にありがとうございました。

アンケート実施方法

依頼対象:都道府県庁、市、区の計861自治体の公園関連部署(各自治体HPにて調査)
依頼方法:郵送によるアンケート用紙の送付
回答方法:FAX、メールまたはWebフォームによる回答
実施時期:10月28日より順次郵送 ~ 11月30日締切
有効回答数:69(回答自治体一覧 ※2018/2/19追記)
アンケート項目はこちら>

※アンケート詳細結果について
詳細レポートを、2月10日より各自治体の公園担当部署へ順次発送してまいります。レポートが2月末になっても届かない、あるいは公園以外の部署や行政以外の方で詳細レポートをご覧になりたい場合は、お手数ですがこちらよりお問い合わせください

維持管理・安全管理が大きな課題

本アンケートでは、まず各自治体で「現在力を入れていること(以降、注力テーマ)」と「関心のあるテーマ(以降、関心テーマ)」について伺いました。前編ではその上位回答に注目してみたいと思います。

注力テーマ、関心テーマのいずれも、上位4項目は同じ結果となりました。

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最多回答は「長寿命化」。6割弱の自治体が、現在の注力テーマまたは関心テーマとして回答しました。長寿命化とは「公園施設長寿命化計画」を意味するもので、公園の維持管理を計画的に行っていこうという政策です。2012年には国土交通省から次のような策定指針が示されています。

長寿命化計画は、地方公共団体等における公園施設の計画的な維持管理の方針を明確化、共有するとともに、施設ごとに、管理方針、長寿命化対策の予定時期・内容などを、最も低廉なコストで実施できるよう整理するものである。(国土交通省 公園施設長寿命化計画策定指針(案)より)

国の政策であるという面は大きいと思いますが、やはり公園にとって維持管理と安全性確保は必須のテーマであり、それを包括する「長寿命化」が最上位となるのは必然なのでしょう。

現実に、都市公園の約半数が設置から30年以上、設置遊具の約半数が設置から20年以上が経過するなど、施設の老朽化が課題となっています。そこで修繕やリニューアルなどの財源が確保できないとなると、たとえば遊具を無くすという選択肢も出てくるわけですが、安全性もさることながら公園としての価値・機能を果たせなくなることは望ましいことではありません。そうならないために、国や各自治体はさまざまな知恵を絞っている状況です。

課題解決に向けて“民”の力を活かす

前述の長寿命化や安全・安心が「課題」であるのに対して、3-4位となった市民協働・官民連携は課題の「解決手法」と考えることができそうです。2017年の都市公園法改正でも民間活力の活用が大きなテーマになっており、公園の課題を行政だけで解決するのではなく、地域に関わるさまざまな人・組織が知恵や能力を出し合うことが求められています。

さて、上位の4回答を自治体規模別に集計してみると、人口10万人以上の自治体では、市民協働に注力しているという回答が46%と半数近くに上り、官民連携を大きく上回っていることが分かりました。

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市民協働と言ってもさまざまな活動が考えられますが、多くの自治体で取り組まれているのは、公園愛護会やアドプト制度など市民が公園の維持管理を行うもの。たとえばPARKFULで連携している名古屋市では公園愛護会、佐久市ではアドプト制度が導入されており、清掃活動や植栽の手入れなどに市民が参加しています。長寿命化の流れを考慮すれば、規模の大きな自治体ほど抱えている公園数も多く、その維持管理に市民の力を活かす動きが進んでいると解釈することができるかもしれません。

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愛護会の活動の様子(名古屋市ホームページより)

一方で、市民協働のひとつと考えられる「住民ワークショップ」への関心が全体の10%程度にとどまったのは少し意外でした。今回のアンケートでは個別の取り組みについて掘り下げることはできませんでしたが、公園における市民協働については、もっとさまざまなアプローチの可能性があるように感じます。そうした事例を今後PARKFULでもお伝えしていければと思います。

新制度Park-PFIへ高まる関心

官民連携では、指定管理者制度がすでに多くの自治で導入されていますが、今回人口10万人以上の自治体で3割以上が関心事項として回答したのが「Park-PFI」でした。これまでも都市公園における民間資金を活用した新たな整備・管理手法としてPFI(Private Finance Initiative)の事例はありましたが、2017年の改正で都市公園法に制度として明記されました。

Park-PFI(P-PFI)
飲食店、売店等の公園利用者の利便の向上に資する公募対象公園施設の設置と、当該施設から生ずる収益を活用してその周辺の園路、広場等の一般の公園利用者が利用できる特定公園施設の整備・改修等を一体的に行う者を、公募により選定する「公募設置管理制度」のこと。(国土交通省「都市公園の質の向上に向けたPark-PFI活用ガイドライン」より)

そして、複数の自治体から注目事例として名前があがったのが、全国初のPark-PFI制度活用の事例として話題になっている、名古屋市の久屋大通公園の再整備事業です。民間事業者が主体となって飲食・売店等の収益施設を設置し、その収益還元により公園施設の整備や維持管理コストを負担することとしています。さらに、公園周辺施設と連携したエリアマネジメントの考え方も取り入れ、地域全体の活性化につなげていくとのこと。都市部の公園の新しい事例として、PARKFULでも引き続き注目していきたいと思います。

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現在の久屋大通公園

中編では、より具体的な公園・地域の課題について考えてみたいと思います。ぜひ引き続きご覧ください。

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