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市民とともに育てつづける、安満遺跡公園の取り組み

インタビュー 2017.03.22

目指すは高槻のセントラルパーク!

安満遺跡公園

安満遺跡公園の整備予定地

大阪府高槻市では、史跡「安満(あま)遺跡」を保存・活用しながら、公園を整備しています。平成31年(2019年)に一次開園、平成33年(2021年)に全面開園を予定。面積約21haを誇る、まさに高槻のセントラルパークともいえる公園となります。

安満遺跡公園整備室の信澤さん

安満遺跡公園整備室の信澤さん

今回PARKFULでは、高槻市役所 安満遺跡公園整備室の信澤友彦さんにお話を伺いました。ご自身も仕事やプライベートで普段から公園はよく利用するという信澤さんに、安満遺跡公園での特徴的な取り組み・魅力について教えていただきました。 ※公園名称(安満遺跡公園)は、今後変更になる可能性があります。

市民のライフスタイルにあわせた活動の場へ

― 安満遺跡公園は「市民とともに育てつづける」をコンセプトとするなど、市民参加を強く打ち出されていますね。そこにはどのような狙いがあるのでしょうか?

信澤さん:公園は、つくることが目的化していた時代から、つくった公園を使いこなすことを目的とする整備へと転換しています。単にハード整備をするだけなく、市民のソフト展開によって公園の魅力を高めることが、賑わいの創出やまちの活性化につながるものと確信しています。そこで安満遺跡公園では、社会状況やニーズにあわせて開園後も変化していく“ハーフメイド”エリアを設定したり、市民協働を積極的に取り入れ、開園前から公募市民が公園計画地で活動を実施するなど、「市民とともに育てつづける公園」をコンセプトにしています。他にも高槻市には現在約190もの市民団体(約2万人)があり、様々な分野において活動が展開されています。今後、この安満遺跡公園をステージとして様々な活動や交流の場が生まれることを期待しています。

安満遺跡公園

敷地の多くがハーフメイドエリアとなる

― 公園整備の背景となる地域の課題などがあったのでしょうか?

信澤さん:これまでまちなかにある公園は、利活用に対して画一的・制限的になりがちで、他の分野では取り組みが始まっている市民や活動団体、企業等の活力を生かしたサービスの提供がなかなか難しい状況にありました。しかし近年では、心の豊かさの実感、社会貢献など生きがいの創出、新たなコミュニティの形成、さらには都市のブランド力の向上など、公園に対する多様な社会的ニーズも健在化しています。高槻市ではこうした社会の期待から、まちなかの貴重な空間である安満遺跡公園を、市民の皆さんのライフスタイルにあわせた様々な活動を行うことで喜びや生きがいを感じるとともに、人々の交流や賑わいが創出され、新たな市民文化が醸成される場としていきたいと考えています。

市民が企画するさまざまなプロジェクト

― 公園の整備段階ではどのような市民参加が行われているのですか?

信澤さん:平成24、25年度には「市民ワークショップ」として、公募で集まった24名の市民の方々とともに本公園における様々なシーンを挙げていただき、公園整備構想にまとめました。また、平成26年度からは約70名の方々が「市民活動プロジェクト」として、開園前から公園計画地で活動を実施しています。いずれも10代の学生から主婦、会社員といった子育て世代、シニア層に至るまで高槻を愛する幅広い年代の方々に参加していただいています。公園計画地でやってみたい活動を実際に企画・実施してやりがいを感じられる方や、仲間とのつながりや誰かのために役に立っているといった生きがいを見出す方もいらっしゃるなど、市民の皆さん自身が楽しみながら活動に参加していただいます。

安満遺跡公園

約30人の市民が参加したパークヨガ

安満遺跡公園

節分に合わせて大学生が企画した「鬼と遊ぼう」

― 開園前からすでに活動できるというのは面白いですね。

信澤さん:従来であれば、整備中の公園で市民が活動することは安全管理上できませんでした。しかし安満遺跡公園の整備では、使用できる場所を調整し、開園前から公園計画地内で活動を実施できるようにしたり、市民活動プロジェクトメンバーが自由に会議をするための場所の確保や長時間の活動をするために仮設トイレを利用できるようにするといったサポートを行っています。開園後も、市民活動プロジェクトメンバーによる活動のほか、企業や市民団体などによる持ち込みイベントを積極的に受け入れる予定です。また関係者による協議の「場」となるプラットフォーム((仮称)魅力アップミーティング)を設置し、公園の魅力アップに向けて継続的に連携・協力に取り組んでいく予定です。

安満遺跡公園

議論が白熱する市民活動プロジェクトのリーダー会

安満遺跡公園ならではの魅力づくりを

― 民間企業の運営する施設が設置されるようですが、その狙いはどのようなものですか?

信澤さん:子どもの遊び施設を株式会社ボーネルンドが運営するほか、軽飲食店(カフェ)や農場レストランについても運営していただく民間企業を募集していく予定です。各企業には「安満遺跡公園ならでは」の工夫をしていただき、安満遺跡公園のここで遊びたい・食べたいなど、公園利用者のみならず全国から民間企業が運営する施設を求めて本公園を訪れるような特徴を持って運営していただくことを期待しています。

― 最後に公園のPRをお願いします。

信澤さん:まちなかの広大な新設公園で遺跡や防災、公園経営、市民協働、(仮称)魅力アップミーティングなど公園における新しい取組を凝縮させた事例は全国的にも珍しいのではないかと思っています。本公園は平成31年の一次開園、平成33年の全面開園に向けて公園整備や市民活動をますます加速させていきますのでご期待ください。

安満遺跡公園

公園全体イメージ図

公園の正式名称を募集中!(3/31締切)

高槻市では安満遺跡公園の正式名称とキャッチフレーズを募集しています。多くの人が利用する公園には、親しみやすい名前も大事なポイント! 行ってみたくなる、愛着の湧くような公園名のアイデアをぜひご応募ください。

Written by 梅村夏子(PARKFUL編集部)
好きな公園:木場公園、清澄庭園
ふらりと行った公園で生まれる偶然の出来事や出会いを楽しむのが好きです。

さくら名所100公園:太平山県立自然公園(栃木県栃木市)

国営木曽三川公園 ワイルドネイチャープラザ(愛知県稲沢市)