PARKFUL

日本全国の公園の魅力を発信するWEBメディア

×
> 公園を考える > レポート > 多摩地域5市が集い「公園」のアイデアソン開催

多摩地域5市が集い「公園」のアイデアソン開催

レポート 2017.12.21

park-Ideathon-machida

2017年12月16日(土)町田市役所を会場に、オープンデータ推進イベントとして「公園」をテーマとしたアイデアソンが開催されました。これは、八王子市、町田市、日野市、多摩市、稲城市の5市で取り組んでいる「広域連携によるオープンデータ利活用推進事業」の一環で、公園に関わるオープンデータの活用方法を模索するためのイベントとして開催されたものです。参加者は公園やオープンデータの切り口で活動されている地域NPOの方、大学教授、大学生、企業、一般市民、そして自治体職員の方々などで構成されました。
コトラボは、公園に関する情報提供と公園✕オープンデータの事例である「PARKFUL」のご紹介という形で参加させていただきました。

オープンデータで公園の課題解決へ

今回ファシリテーターを務められたオープンデータカフェ@稲城の杉山恵理さんが、もともとオープンデータに興味を持たれたのも公園がきっかけだったそうです。6歳の男の子のお母さんでもある杉山さんご自身が「子供を公園に連れて行きたいのに、その情報が少ない!」という問題に直面し、オープンデータを通じてそうした問題を解決できるのではないかと考えたことから、活動を始められたそうです。今回も杉山さんがPARKFULをご存じであったことが、コトラボがお招きいただくきっかけにもなりました。

町田市公園アイディアソン

オープンデータカフェ@稲城 杉山恵理さん

コトラボからはワークショップに取り組むにあたり「そもそも公園って?」というお話を、公園の歴史や公園の持っている機能やモノについて、そして国内外の特徴的な公園の事例を交えてお話させて頂きました。

アイデア創出ワークショップ

ワークショップではマンダラートというシートを使い、まずは各個人で公園から連想するアイディアをシートのマスに埋めて行きます。その後、自己紹介や各自の考えた公園アイディアを共有しながらグループ内でアイデアを1つに絞り、深めていくという流れでした。

町田市公園アイディアソン

町田市公園アイディアソン

熱いアイデアが続出!

6つのグループに分かれた各チームからは、地域課題や利用者のニーズなどを踏まえ、継続性や地域経済に繋げられる様な提案。公園を実際に利用するソフト面の提案も多く、説得力があるものばかりでした。

たとえば、「公園処方箋」。
病院では普通、「薬」が処方されますが、その代わりにその人にあった健康器具のある「公園」を処方するという案。「あなたはウォーキングが足りていないから、それを促す健康器具があるこの公園に行きなさい。」そして公園に行くと器具にはセンサーが設置されていて、実際に運動したかも把握できる様にする。そしてその人が健康になり医療費も削減できるというストーリーです。

町田市公園アイディアソン

またこちらは「安心と地域振興につながる公園」。
公園をどんな人が使っているかわからないと不安だから、公園利用アプリを見て利用者を確認して安心して公園に行く。そして実際に公園に行ったら1ポイント、掃除をしたら10ポイントとポイントが溜まる仕組みを作る。その集めたポイントは地域の商店街などで利用できて買い物の際、割引になる。というストーリです。

町田市公園アイディアソン

どのグループも、ひとりで考えるのではなくみんなでアイデアを出し合い高めていったからこそ、さまざまな工夫の詰まったアイデアであることが伝わってきました。

公園はもっとも身近なテーマ

今回の会場にもなった町田市役所 情報システム担当部長の中田直樹さんに、本アイデアソンの経緯や成果についてお話を伺いました。

町田市公園アイディアソン

町田市 情報システム担当部長 中田直樹さん

ー 今回「公園」というテーマを選んだのはなぜですか?

オープンデータを推進するべき分野として「公共施設の情報」というのがあげられています。今回この5市連携の事業としてこうした取り組みは初めてだったので、公共施設のなかでもまず身近で取り組みやすいのが「公園」ではないかと考え、テーマに選びました。オープンデータはそれだけでは独り歩きできないものなので、本事業ではまずはアイデアソンという形で「どんな活用ができるだろうか」という切り口から取り組んでみることにしました。

ー 実際にやってみていかがでしたか?

今回はアイデアを実現することありきではなく、まずはやってみようということで、半日という短い時間の中でアイデアソンを開催しましたが、今後に活かせる気付きが色々得られました。私たちが普段感じている課題として、たとえば本事業が広域連携で取り組んでいるということもそうなのですが、オープンデータはある程度基本的なフォーマットが共通化されていないと活用しづらいということを感じていました。今回参加者からもそうした意見があがったことは、自分たちの考えを確かめることにもなり、今後の本事業の進め方に活かすことはもちろん、こうした現場の声を広域連携の輪をさらに広げることにも繋げていければと考えています。

公園という身近なテーマから、地域のことやオープンデータの活用方法について考えた4時間。コトラボから公園のお話をさせていただいた際も「共創」というキーワードを強調させていただきましたが、このアイデアソンがまさに「共創」の価値を体感できる場となりました。

豊洲ぐるり公園(東京都江東区)

挑戦心をかきたてる!フィールドアスレチックがある公園特集<中部・関西編>