「小さな公園を考える。」というテーマのもと、日本とニューヨーク、民間と行政という異なるかたちで公園づくりに携わる3人の会話の中から、公園づくりのヒントや可能性を探る企画。3回目となる今回は、公園サインの話題から公園のハードとソフトのあり方について議論が広がります。
〇〇できない公園から〇〇できる公園へ
-禁止事項ばかりの公園がしばしば話題になりますが、これについてはどう思いますか?
宮田: 地域の人たちとコミュニケーションしながらルールづくりをすれば、今ひとくくりにボール遊びNGですということも、出来るようになるかもしれないし、花火全面的にダメだけど第◯何曜日の◯時からは良いなどの合意ができれば花火が出来るようになるかもしれないと思っています。「〇〇できない」だらけの公園を「〇〇できる」を増やしていくやり方をいま話合っています。
三谷: アメリカでは、禁止事項は多いですか?
島田: 禁止事項は多いですが、許可事項やバリアフリー対応の案内など、より多くの人に公園利用を促す内容を含んでいるサインも増えてきたように思います。サイン=禁止事項、だと心理的に抵抗感がわいてしまいますよね。サインは英語がわからない人や子供にとってもわかりやすくあるべきだし、禁止事項だけでなく利用の可能性が膨らむものであればいいなと思います。
ニューヨークの場合、イベント申請をして許可をとる場合や特定エ
日本では来年のオリンピックに向けて更にユニバーサル化が進んでおり、駅でもバリアフリー用のエレベーターなど多く見かけますが、必ずしも障害者など必要とする人が使いやすい雰囲気だとは限らないように思います。実際エレベーターが必要な方がいても健常者が沢山乗っていて優先されていていなかったり、電車の中でも年配の方や妊婦の方が優先席を使えない光景を目にする事があります。インフラを導入しても、文化も同時に変わらなければ状況は変わらない。アメリカでもそれは同様です。ニューヨークの公園では、アクセシビリティに考慮した改善や、健
インフラ、文化、制度とセンス?
島田: 物理的なハードの部分も変わる必要があります。エレベーターなどがない所で車椅子の方に利用を求めるのは難しく、そういった施設がある上で、社会的にも皆で理解、協力しあい、健常者と隔てなく使いやすいよう、私達のマインドも変わっていく必要があります。ソフトの部分とハードの部分がペアで動いていかないといけないですよね。
行政は主にハード面を優先しがちですが、民間とも協力し、これからはソフトとハードをいかに上手に組み入れていくかが重要になってくると思います。市民一人一人の考え方を変えるのはなかなか難しいですが、そういった個人の集団で形成される社会が変わる時は大きな変化を生むことが出来ると思います。
宮田: 前職でテレワークを推進し
島田: あと、センスがとても重要だと思います。
宮田: そうですね。空間のデザインもそうですが、そこで過ごしたいとか市民参加を促すときの表向きの入り口のデザインはとても大事だと思います。区でもこれまでのコミュニケーションのデザインを見直し、
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(#04へ続く)
次は、公園づくりにおける公園の情報発信の果たす役割についてフォーカスして議論が展開されます!
好きな公園:新宿御苑、富山運河環水公園、チュイルリー公園(パリ)
どこにいっても誰もが自由に入れるのが公園。全国・世界各地の旅先で公園を訪れ、見比べるのを楽しんでます。