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世田谷区の公園ワークショップ(3)PLACE インタビュー

レポート 2017.04.12

3/24(金)、3/25(土)の2回に渡り行われた世田谷区の公園ワークショップ。1回目ではワークショップの様子、2回目ではプロジェクト立ち上げについて、そして最終回の今回はワークショップで企画運営に関わるPLACEの皆さんのインタビューを中心にレポートします。

PLACEとは

PLACEは、2010年に設立されたポートランドを拠点とするランドスケープ事務所です。公共事業の実績を多くもち、コミュニティの意見を取り入れながらプロジェクトを進めることを得意としています。日本においても国交省の水辺活用プロジェクト「ミズベリング」のワークショップをはじめ、日本国内で徐々に活動の幅を広げています。

ポートランドにあるPLACEの事務所

工場をリノベーションした大空間

Q1 なぜ、日本にPLACE?

ポートランドには、ほかにも住民参加のワークショップの実績のあるランドスケープ事務所があります。しかし、今回のワークショップで「なぜ、PLACEなのか?」

PLACE: 会社設立時に”良いデザイン”、”芸術性の追求”、”学術との連携”、”海外進出”という4つのコンセプトを掲げた。面白い機会があったら、積極的に海外に飛び出して学びたいという気持ちが強く、その意志表示が今に繋がっているのではないかと思う。また、海外で仕事をすることについては、言語の壁はあるものの新しい視点を提供できるという意味で手応えを感じている。特により良いものを追求する文化的な下地がある日本は、海外からの新しい文化やアイデアを積極的に取り込みながら質を高めていくことに貪欲であるため相性が良いと感じている。

海外でも現地の人と直接触れ合うことを大切にしているという

Q2 PLACE流ワークショップとは?

好奇心旺盛で、人と関わることが大好きなPLACEメンバー。そんな人柄とプログラムの工夫で楽しいワークショップを進める彼らは、ワークショップでどのような工夫をしているのだろうか。

PLACE: ワークショップでは参加者の発言の内容よりも、より多くの意見が出ることが大切だと考えている。そのため、デザインに必ずしも直結しなくても、気軽に参加してもらえるような工夫をしている。また、ワークショップは毎回環境が異なるので、それに合わせて臨機応変に対応するのがデザイナーの役割だと考えている。

ワークショップのはじめにやった折り紙も遊びの仕掛けのひとつ

今回のワークショップで使用されたカードツール「KITTO」は、実は日本向けに開発されたもの。ポートランドではワークショップで意見を出すことに慣れているが、日本ではそのような機会も少なく、シャイな国民性。そんな日本人がより気軽に意見を出すための工夫が盛り込まれている。例えば、それぞれの仮想の役割を設定するロールプレイングカードは、実際の自分とは違う立場となることで意見が言いやすくなる工夫。また、うまく言葉にできない、絵に表現できないこともあるのでインスピレーションを与えるような色々なシーンの写真を用意した。

KITTOのカード

Q3 松陰神社地区の公園を見た印象は?

松陰神社地区の公園を実際に見て、アメリカや他国と比べて良いと感じたこと、逆に課題と感じたことはあるのだろうか。

PLACE:
・ 公園の小さいスケールに魅力を感じ、羨ましいと思った。小さい公園同士をリンクさせて、街の中でどうデザインさせていくかを考えるのは非常に興味深い。
・日本は最先端の建物の開発が多い場所でありながら、公園は少しデザインの先端から遅れている印象。それはピカピカで最高級のものである必要があるというわけではない。しかし、開発の余地があり、その分可能性を感じた。

松陰神社地区の公園を視察中のPLACEメンバー

Q4 今後、プロジェクトを継続するために大事なことは?

松陰神社地区のプロジェクトを成功させるためには、住民の関心を逸らさずに活動を継続させる必要があります。そのためにはどのようなことが大事になってくるのだろうか。

PLACE: ポートランドで住民参加が進んでいるのは、ネイバーフッドアソシエーションという近隣自治組合の組織がしっかりしているからと思われるかもしれない。しかし、それがあるからといって誰もがその組織に参加して意見をを吸い上げられている訳でもない。ただ、情報伝達の機能としていることは事実である。松陰神社も情報伝達がうまくできれば、継続することができるはず。

まとめ

PLACEのインタビューを通して、好奇心が旺盛で学び続けることを大切にしているのが印象的でした。そのような学ぶ姿勢がワークショップでも参加者とのフラットな関係を築き、よりクリエイティブな議論を引き出すきっかけになっているように感じました。

  


Written by Hiroko(PARKFUL編集部)
好きな公園:新宿御苑、富山運河環水公園、チュイルリー公園(パリ)
どこにいっても誰もが自由に入れるのが公園。全国・世界各地の旅先で公園を訪れ、見比べるのを楽しんでます。

厚別南緑地(北海道札幌市)

国営武蔵丘陵森林公園(埼玉県比企郡滑川町)