PARKFUL

日本全国の公園の魅力を発信するWEBメディア

×
> 公園を考える > インタビュー > 公園のにぎわいの日常化をめざして、奈良市が行う「まちの食卓」とは?

公園のにぎわいの日常化をめざして、奈良市が行う「まちの食卓」とは?

インタビュー 2019.08.08

奈良市の小さな緑地でおもしろい取り組みが始まっているのをご存知ですか?奈良市では公園に大きな食卓テーブルを置き、地域の人々が同じテーブルで食事や会話を楽しみながら地域の公園の活用方法を考える社会実験イベント「まちの食卓」を今年の4月より開催しています。子どもが健やかに遊べて、大人にとっては交流の場となる。そんな魅力ある公園を創造したいという思いのもと、奈良市役所の若手職員で「しばいくプロジェクト」チームを結成し、公園のぎわいを日常化することを目標に定期的にイベントを開催予定です。今回はそんな「まちの食卓」について「しばいくプロジェクト」チームの橘さんにお話をお聞きしました。

そもそも「まちの食卓」って?

イベントのコンセプトは”まちの住民を1つの大きな家族と考えた時、家はプライベートを守る部屋、道や線路は部屋をつなぐ廊下、公園は家族が集う食卓である”
「まちの食卓」では公園に大きな食卓テーブルを置き、アコースティック演奏を聴きながら、複数組の家族やグループで大きなテーブルを囲み、たまたま隣り合ったグループと乾杯したり料理をシェアしたりします。子どもが遊べる場所も用意し、レジャーシートを敷いて芝生に寝転び公園の日常を楽しみながら、公園にまちの食卓としての役割を創出していくイベントです。

イベントの開催場所は公園

― どうして“公園“でイベントを開催したのでしょうか。

橘さん:市民の皆さまにまずは近所の公園に気付いてもらい、もっと利用してもらうことを目的としたからです。利用方法は何でもいいんです。ただシートを広げて本を読んだり、食事をしたりなどして空の下の解放感を味わってもらえれば、と思いました。勿論、各自治会によってルールはありますが。近所の公園が皆様のアイデアや少しの労力で、気軽に来たくなるような公園に生まれ変われば素敵なことだと思います。感覚的には第2のリビングのようなイメージでお使いいただければ嬉しく思います。私達はその理想に近づけるお手伝いができればと考えています。そんな使い方が出来ることを知って頂きたい想いで、この芝辻町四丁目緑地をモデル公園として開催しています。

芝辻町四丁目緑地について

芝辻町四丁目緑地はJR新大宮駅、商業施設、住宅型老人ホーム、保育園から徒歩圏内という好立地でありながら、現状利用する人は極めて少ない緑地です。また、電車から見える場所に位置し多くの人の目に留まりやすい場所であるため、公園の利活用方法が提案できれば集客が見込めるポテンシャルがあると考えられ今回のイベントのモデル公園として選ばれました。

芝辻町四丁目緑地

当日の様子

― 今まで2回ほど開催されてきていますが当日はどのような様子でしたか?

橘さん:1回目の開催は朝から小雨模様で来場者のご迷惑になるかと心配しながらの開催でしたが、終わってみれば約300名の方にお越しいただきました。遊具メーカー様よりご厚意でレンタルさせて頂いた遊具には沢山の子どもたちが遊んでいました。また、食卓で「あーっ」とか「○○さーん」など知り合い同士の方が声をかけられ近隣のコミュニケーションが食卓上で生まれている光景もあり、何もない公園が賑わいに満ちた光景になった一日となりました。







2回目は梅雨時期ということもあり開催日が雨天予報であったため後日に順延しましたが、それでも多くの来場者の方に来ていただきました。今回は自主製作で大きな黒板を製作し、そこにチョークアーティストと子供たちが一緒に好きに絵を描いて一つの作品にするというコーナーを設けました。日頃、家のなかの壁などにお絵かきを禁じられている子どもたちはここぞとばかり大きな黒板に思い思いに絵をかき、気が付けば子どもたちの人盛りができていました。その好き好きに書いた子どもたちの絵をチョークアーティストが繊細なタッチで見事に仕上げ、食卓で歓声があがっていました。また、今回は奈良を中心に活動するミュージシャンが8組も来ていただいて生演奏を披露していただきました。演者さんにはそれぞれイベントのコンセプトを理解してもらい、子どもが分かる歌や、その保護者さん世代に流行った歌など各自アレンジして演奏していただき大盛況でした。





イベントの効果とこれから

― まちの食卓を行なってみてどのような効果を感じますか?

橘さん:そうですね、徐々にではありますが近隣住民の方々にはコンセプトを理解してもらっている反応は感じられます。近頃は新聞社や地元TV局などの関心が高まっていて、取材を受ける回数が増えてきました。また、各NPO団体や一般企業からも別の公園で市とのコラボレーション企画などを提案される方も出てきています。これからの時代、企業の方や地元の自治会や協議会、また飲食店など様々な方面の方と共に公園を利活用していくことが将来のビジョンになると思います。

― 今後に向けて考えていることがあればお教えください。

橘さん:まずはこの「まちの食卓」から発想を得てもらい、自分の近所の公園もオシャレにしたいっていう要望などをいただきたいですね。どんな方でもどの方面でもいいので、まずアイデア等のご相談を頂きたく思っています。このイベントは市としての方向性を打ち出すというよりかは、市民の皆様の自主的な行動を促すものとして催しています。そのために私達は柔軟に対応し、対外的な立場での理解力を持つことが重要かと考えています。奈良市というベットタウンの特性を生かし、休日に気軽にくつろげる公園が増えていくことが私達の目標です。


 
 

Written by tokiyasu(PARKFUL編集部)
好きな公園:芝公園、山口きらら博記念公園、ハイドパーク
休日はよく公園でのんびりごろごろしてます。公園の自由に過ごせる寛大な雰囲気が好き。

瀬戸内海が一望できる自然公園!大串自然公園(香川県さぬき市)

家族みんなで楽しめる大型遊具が充実!干潟よか公園(佐賀県佐賀市)