パークフルと芦屋市は、2020年に公園レンタルに関するクラウドサービスの実証実験を共同で実施し、2021年度より芦屋市へPARKFUL Rentalのサービス提供を開始しました。芦屋市ではどのような経緯で導入されたのか、また、今後の展望などを芦屋市道路・公園課の南さんにお話をお伺いいたしました。
導入までの動向
時期 | 実施内容 |
---|---|
令和元年9月~ | 協議スタート |
令和2年1月21日~令和2年3月31日 | 実証実験 |
令和2年4月1日~令和3年3月31日 | 第2期実証実験 |
令和3年4月1日~ | 本格運用 |
市民が主体となったイベントの成功体験
― 公園レンタルオンライン化サービスを導入した経緯について教えてください
南さん:平成31年4月宮塚公園のリニューアルに合わせて実施した市民主体のマルシェの成功をきっかけに、“公園をもっと活用してもらいたい”という想いが強くなりました。この時、公園を利活用することにより地域活性化や賑わいの創出などに繋げることが大きな目的だということを再認識しました。それと同時に、公園という公共空間でのイベントを主催できる市民が潜在的にたくさんいるのに、なかなかイベントが開催されていないことに気付かされました。ハードルのひとつになっているのは、公園を利用する際の窓口への申請、審査などの手続きのわずらわしさ。このハードルを下げるために、市民の方が気軽に公園を使ってもらえるような仕組みを作る必要があると考えました。
若年層を中心としたサービスの浸透
―サービスの導入による変化・反響についてはいかがでしょうか?
南さん:オンライン申請サービスの利用者の属性で多いのは、校外学習・遠足での幼稚園・保育所の教育機関や公園内での定期的に地域向けのイベントを企画している団体です。若年層を中心に、わざわざ窓口に行かなくてもオンライン上で手続きができるので便利であるいう声もいただいています。窓口や電話で公園利用申請の相談にこられる利用者の方に対して、オンライン申請を薦めており、徐々にではありますが利用率は増えてきている実感はあります。若年層には、ある一定の需要があるもののシニア層の利用率をどれだけ上げられるかが課題です。
はじめて利用する方にもわかりやすい申請画面
気軽さが利用者にも好評
地域活性化・コミュニティ創出を目指して
―最後になりますが、今後のサービス運用・活用など、これからの展望について教えてください。
南さん:「with コロナ」「アフターコロナ」と言われる中で、公園の利用方法、公園へ求めるものもコロナ前から変化する可能性があります。少人数で利用したい、もう少し地元でのつながりを強めたい、など市民や地域の多様な意見・ニーズが出てくる中、住民主体で合意形成を図っていく必要があると考えています。主役はあくまでも地域住民であり、そのサポートを行政が行う。今回の公園申請システムもあくまでもサポートツール。これを活用して、積極的に公園を利活用してもらうことが大事だと考えています。我々の役割は、これをいかに広げていけるか。システムを作るということではなく、地域の活性化や地域コミュニティの創出が目的です。それに一歩でも近づいていくために、このシステムの周知や日々地域との対話を続けていきながら枠にとらわれない発想で取り組んでいく必要があると考えています。
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