子育てトークサロン「公園へ行こう!」(3)設計者が考える、遊べる公園の探し方
今回の講師は、公園の設計や、幼稚園・保育園の園舎・園庭づくりのコンサルティングなどを行っている近藤 卓さん。公園を作る側の立場でもあり、またご自身も2児のお父さんということで、公園を頻繁に利用する立場でもあります。ここでは、そんな近藤さんが自分のお子さんを公園に連れて行く時、どのような視点で公園を見ているかをご紹介いただきました。
初めて行く公園、気になるポイントは?
お子さんがいると出かけた先でお子さんを公園へ連れて行く機会も多いですね。いつも行っている近所の公園のことは良く知っているけど、帰省した時やお友達の家に行った時など、初めての地域で公園のどんなところを見るか? 近藤さんはとくに「ルール」「怪我」「防犯」という3つのポイントに着目するのだそうです。
公園の空気を読む
まずルールについて。近藤さん曰く、「看板に書いてあることよりも、ローカルルールを見極めることがポイント」とのこと。親と子どもがどんな距離感で遊んでいるか、自転車はどこまで入っていいのか、レジャーシートは敷いていいのか、ボール遊びはどうか…など。
公園にはさまざまな利用者がいて、さまざまな過ごし方をしています。みんなが気持ちよく公園を利用するために、いい意味で「空気を読む」ことが大切とのことです。
遊び場を取り巻くルール
子どもたちの遊びも規定のルールに収まらないことが多くあります。近藤さんが示してくださったのは、遊具のもつ「3つの遊びの段階」。(仙田満「環境デザインの方法」より引用)
- 機能的遊び:基本的なルール・使い方での遊び
- 技術的遊び:ルールに沿うだけでなく、冒険をしていくこと
- 社会的遊び:順番を守っているか、他の人が遊んでいるときにそれを妨げるようなことをしていないか
例えば、すべり台を子どもが逆に登ろうとしているときにどうするか? 近藤さんは、上から滑ろうとしている人がいたらやめなさいと注意するし、他に誰も居なければそのままやらせてあげるそうです。技術的遊びと社会的遊びのバランスですね。
またそこにもローカルルールがある場合もあるため、周囲の親がどういった対応をしているか、注目してみると良いとのこと。
遊び場に潜む危険をチェック
次にケガについて。ここでも近藤さんはいくつかのポイントを挙げてくださいました。
まず公園によらず注意が必要なのは、子どもの服装。カバンやパーカー、マフラーなどは遊具に引っ掛けて首を絞めてしまう可能性があるので大変危険です。保護者のみなさんが注意をしてあげることが大切ですね。
公園でのケガで気になるのが遊具ですが、既製品の遊具はすごく研究されているので、基本的には大丈夫とのお話。古いものはささくれや腐食に危険が潜んでいるので、そうした点に注目すると良さそうです。
そして、設計者ならではの視点が、遊び場の配置・動線について。
たとえば、公園の入り口に遊具があると遊びの勢いのまま飛び出してしまったり、坂になっているとボールが思わぬところまで転っていってしまう危険があります。また遊びの動線がどうなっているか観察し、動線が交錯するところは注意しておきたいポイントとのこと。
次回予告
ここでタイムオーバーとなり、防犯についてはお預けとなりました。
様々な人が利用する場だからこそ、ルールだけでは決められない様々なことが起こるのが公園。周囲に目をやったり、コミュニケーションを取ったり、利用者ひとりひとりがちょっとずつ意識をするだけでその場にいるみんなが楽しめる時間・空間になるのだと思います。近藤さんの教えてくださったコツを参考に、ぜひ新しい公園に足を伸ばしてみてはいかがでしょうか。(公園探しにはぜひPARKFULアプリをご活用ください!)
公園の楽しみ方が分かってきたところで、次回は公園管理のプロ 竹内智子さんが教える都内のオススメ公園です!
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好きな公園:木場公園、清澄庭園
ふらりと行った公園で生まれる偶然の出来事や出会いを楽しむのが好きです。