PARKFUL

日本全国の公園の魅力を発信するWEBメディア

×
> インタビュー > カフェと公園の可能性<RACINES×南池袋公園>

カフェと公園の可能性<RACINES×南池袋公園>

インタビュー 2017.02.24
カフェ・レストラン

カフェ x 公園インタビューVol.4 FARM TO PARK RACINES

店舗は2016年にリニューアルオープンした南池袋公園の中に

第12回PARKFULフォトコンテストでは「Find your own cafe space!」をテーマに皆様から公園内のカフェができる空間の写真を募集しています。その連動企画として、公園の近くにあるカフェの方に公園にまつわるエピソードやオススメのメニューの紹介をしていただいています。第4弾の今回は、東京・池袋のラシーヌさんにお邪魔し、店長の柳岡律子さんに再開発後の南池袋公園を引っ張っている「公園をリードするカフェ」についてお話を伺いました。

FARM TO PARK RACINES

2016年南池袋公園のリニューアルを機に公園内に出店。モーニングからディナーまで契約農家さんから取り寄せた食材を使いこだわりの食事を提供されています。2階はその名も「THE PARKSIDE BOOKS」という本屋さんとコラボレーション出店し、新たなカフェの形を追求しています。

南池袋公園への出店のきっかけは、10年前から南池袋の地で“GRIP”そして“RACINES”というレストランをはじめたことだそうです。「10年間、本当にたくさんの方と繋がり、“GRIP”でさまざまなことを実現してきました」という柳岡さん。出している食材やイベントなども、今まで出会ってきた方々とのご縁と繋がりでできているといいます。

取材にご協力いただいた店長の柳岡律子さん。休日にドリンクを持って出かけたくなるのは昭和記念公園

公園のように誰もが気軽に入れる店内

池袋という立地から、来店するお客さんは様々。ビジネスマンや、学生、ママさん、近所のおじいさん・おばあさん、豊島区区長(!)まで、時間帯によって幅広い層のお客さんが食事を楽しみに来るそうです。外装がガラス張りで中の様子がわかりやすいことも、公園に立ち寄ったついでにふらっと店内へ入りやすくなる秘訣かもしれません。わざと広めに取っている座席の間隔もベビーカーを押すママさんたちから好評なのだそうです。

晴れた日はさらに気持ちの良い店内の様子

お店の前にはテラス席やおしゃれなベンチが

公園をいつも見守る存在

南池袋公園を知り尽くした柳岡さんにオススメの公園の楽しみ方はありますか?と聞くと「純粋に公園と芝生※を楽しんでいってほしいです」と答えてくださいました。(※現在は養生中のため土日のみ開放)

「皆さん公園の使い方が本当に上手いです。寝たり、音楽を聞いたり、本を読んだり、パソコンを開いて仕事をしたり、思い思いの使い方にいつも感心させられます。せっかくの公園なのでドリンク一つでも持ってどんどん芝生に座って楽しんでもらいたいです。」

ラシーヌさんは公園を運営する側では、いわば「現場の人」である印象を受けました。
例えば、店舗では公園の卓球台用のラケットとボールの貸し出しをしています。公園の大きな魅力のひとつである芝については、夏芝と冬芝で張り替えについてや、冬芝は育たせるのが特に難しいとのお話もしてくださいました。また、よくピクニックで利用しがちなビニール製のレジャーシートは空気を通しづらく芝を傷めてしまう原因になるそうで、ラシーヌさんでは布製のラグマットの貸し出しもしているそうです。

人気のランチメニュー「ポルケッタサンド」。ランチメニューは全てテイクアウトスタイルで出てくるので、気分や天気に合わせて気軽に外に出て食べることができる

本屋さんが併設されている2階。パソコンを開いてミーティングをする姿もちらほら

月に一度ラシーヌさんも参加する「南池袋公園をよくする会」では、南池袋公園に関わりのある行政・民間の方が集まって話し合いをするそうです。ラシーヌさんのような毎日公園を見守っている存在が、日々公園の運営をしていく上でも、公園をよくするための議論でも、とても大切な「現場の声」を伝えてくれます。これからは、ラシーヌさんのようにビジネスを通して公的空間を活性化していくような役割がますます求められるのではないでしょうか。

南池袋公園を「繋げる場」へ

公園をさらに盛り上げるために、ラシーヌさんでは今後、農家の方と協力をし、野菜を販売したり、他にも南池袋公園から発信できる様々なコトを“マルシェ”を通じて行っていく予定です。このインタビューの翌日には「徳島マルシェ」を控えていました。当日は天候にも恵まれ、多くの方々が徳島の新鮮な野菜を作り手との会話を交わしながら笑顔で購入していたようです。

徳島マルシェの様子 (photo by Racines)

「繋がり」が会社のDNAであるというラシーヌさんでは、お店を通じても、地域そして全国で新たな繋がり作りをしているそうです。

再開発前までの南池袋公園は、あまり人で賑わう楽しい印象を持たれていなかった方も多いのではないでしょうか。しかし今では公園の雰囲気も明るくなり、人通りも増えたそうです。それによってさらに、今まで公園周辺に来ることなかった人が足を運ぶようになったと言います。ラシーヌさんのような誰もが気軽に立ち寄れるカフェがあることも、また公園に足を運ぶきっかけを作っているのではないでしょうか。

「食を通じて、公園でできることをどんどんしていきたい。」

と何度も言葉にしてくださった柳岡さんの力強いメッセージがとても印象的でした。「繋がり」がお店としての真髄であると教えていただきましたが、ラシーヌさん自体もこうしてまた新しい誰かを「繋げる」場所であると感じました。そんなラシーヌさんのような思いをもったカフェが公園をもっとリードしていってくれることで公園そのものも人と人を繋げる場としてより魅力的になっていくことと思います。

1月末より週末のみですが芝生の解放が再開しました。
週末は皆さんも南池袋公園とラシーヌさんに遊びに行ってみませんか?

リニューアルオープンは桜の季節でした

カフェがあるおかげで夜になっても人が集う

 

Racines Farm to Park Information

開店時間 8:00 ~ 22:00 休業日 なし
駐車場 なし
住所 東京都豊島区南池袋2-21-1 南池袋公園内
地図
アクセス JR・東武線・西武線・東京メトロ「池袋駅」より徒歩6分
公式サイト http://racines-park.com/

Park Information

開園時間 8:00~22:00 休業日 12月31日〜1月3日
入園料 無料 駐車場 なし
公式サイト http://www.city.toshima.lg.jp/340/shisetsu/koen/026.html

第12回PARKFULフォトコンテスト開催中!

山吹運動公園(茨城県常陸太田市)

星置公園(北海道札幌市)